昨日(26日)は首都大学リーグを観戦。普段は一部と二部が同じ球場で試合をすることはないのだが、この日は二部の優勝決定戦と一部の最終節2試合が同時に見られるというお得な日だった。

 第一試合は東経大vs獨協大。東経大の先発はエース高橋陽介(4年、右投、桜美林)。最速151kmを誇る本格派で、昨年の秋には一部でベストナインを受賞している。当然春まではドラフト候補として名前が挙がっていたのだが、最近めっきり評判を聞かないので気になっていた選手だ。初回いきなり先頭打者に四球を与えると送りバントをはさんでまた四球。明らかに春見たときよりも腕が振れていない。制球を気にする→ボールを置きに行く→腕が振れずにまた制球を乱すという完全な悪循環に陥ってしまっているように見えた。以前からの欠点だった左肩の開きの早さも修正されていない。ポツリ、ポツリと伸びのあるボールは来るのだが、それが続かずスピードも140km前後。初回は何とか併殺打でピンチを切り抜けたが、その後も苦しいピッチングが続いた。
 結局5回に東経大が3連打で1点を先制し、高橋がそのまま完封したのだが、これほど内容の悪い完封は珍しいというほどだった。被安打は5本ながら、与えた四死球は7個。8回まで毎回走者を背負い、まさにピンチの連続という展開。獨協大の拙攻に完全に助けられた格好となった。「悪いなりに抑えた」と言ってしまえばそれまでだが、もう少し迫力のあるピッチングを見たかったというのが本音だ。

 第2試合は大東大vs日体大。目に付いたのは日体大先発の下野(2年、右投、東福岡)のピッチング。高校時代から制球の良さには定評があったが、大学に入りさらに磨きがかかった。テンポ良く2球で簡単に追い込み、追い込んでからはボール球を振らせる。速球もびっくりするようなスピードはないが、初速と終速の差が少なく、高校時代よりも威力は増している。しっかり腕を振って投げるチェンジアップも効果は抜群。凄みはなくプロ好みするタイプではないが、正直感心させられる投球内容だった。
 日体大の野手では神貴之(4年、5番、三塁手、右投右打、豊南)と大西亮(3年、1番、遊撃手、右投右打、四日市工)の三遊間コンビの動きの良さが目立ったが、二人とも強烈にアピールするものがもうひとつ。一方の大東大では松堂大輔(4年、3番、右翼手、右投右打、沖縄尚学)の肩に驚かされた。深い当たりのフライをキャッチすると、ワンステップでサードへストライク返球。モーションも素早く、まさに刺せる肩だ。
 試合の方は下野が9回途中まで投げ、11三振を奪う好投を見せ5−3で日体大が勝利。この結果、大東大の最下位が決まった。

 第3試合は城西大vs東海大。城西大が勝てば優勝が決まる大一番である。城西大の先発は前日に続き4年生の小沢太一(右投、花咲徳栄)。サイドスローから最速146kmの速球を投げ込むドラフト候補だ。特徴はなんと言っても左足をステップする位置にある。サードベースとホームベースの中間くらいの方向に踏み出すと、そこから思い切り上体をひねって投げ込んでくるのだ。右打者としては自分の方に体が向かってくるため、どうしても腰が引け気味になる。それでいて荒れ球だから恐怖感は倍増するだろう。だがこの日の小沢は連投の疲れからか今ひとつ球威がなく、3回、4回と東海大打線につかまり4回途中でマウンドを降りる。ボールの角度と威力は面白いと思うのだが、いつ見てもピッチングが単調なのが難点である。一つ緩いボールでカウントが取れるようになると、もっとピッチングの幅が広がると思うのだが。
 城西大で他に目に付いたのはトップバッターの山口祐作(2年、遊撃手、右投左打、生光学園)。打球に対する反応が抜群で、常に前に出てボールをさばこうとする姿勢はすばらしい。バッティングも早めにトップの形を作り、ボールを見る姿勢がきちんとできている。足が速いだけでなく、出塁に対する意欲も強いいかにもトップバッターという選手である。大学生は学年が上がるごとに横着になる選手が多いので、今のプレースタイルを大切にしてもらいたい。
 東海大で光ったのは3番の落合成紀(3年、左翼手、右投左打、報徳学園)、春季リーグの首位打者だ。少し体を開き気味に構えて独特のタイミングの取り方をするが、懐が深くとにかくミートが上手い。バットが内から出ており、難しいボールも簡単に芯でとらえる。特に左方向へのバッティングは芸術的で、ただ流すだけでなく強い打球を打てるのも魅力だ。4番を打つ大松尚逸(3年、中堅手、左投左打、金沢)とともに来年のドラフト候補となることは間違いない。
 試合の方は先制した東海大がそのまま主導権を握り、3−1で勝利。逆転優勝に望みをつないだ。


 ちなみに相模原球場は家からだと2時間半以上かかり、午前9時開始の昨日は家を出たのは5時半、帰宅は21時過ぎというハードなものでした。行き帰りの電車が空いていて爆睡できたのはありがたかったのですが、さすがに疲れました。

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