それでは前回に引き続きドラフトの採点を。今日はセリーグです。

阪神
自由枠  鳥谷 敬    内野手  早稲田大
自由枠  筒井 和也   投手   愛知学院大
4巡目  桟原 将司   投手   新日鐵広畑
5巡目  小宮山 慎二  捕手   横浜隼人
6巡目  庄田 隆弘   外野手  シダックス
 優勝の勢いそのままに今年の目玉、鳥谷を獲得。左投手と内角のさばきに課題は残るが、全てのプレーに意欲の感じられる点は非常に素晴らしい。マークされ続けた中でもコンスタントに結果を残すメンタルの強さも大きな武器である。筒井は4年生になってから成績を落としたのが不安。技巧派の枠にはまらず、ストレートに磨きをかけたのはプラス材料。桟原は最速151kmを誇る豪腕サイドスロー。フィールディング、牽制など細かい部分に課題は残るが、阪神にいないタイプなだけに面白い。5巡目の小宮山は大正解。決して大柄ではないが捕手としての総合力、センスは高校生の中でも屈指。力強いバッティングも見所十分で、将来の正捕手を狙える器だ。
高校生は小宮山1人という若さのなさがマイナスだが、全体的にはバランスの取れたいいドラフトだった。90点

中日
1巡目  中川 裕貴  内野手  中京
3巡目  石川 賢   投手   八戸大
4巡目  佐藤 充   投手   日本生命
5巡目  中村 公治  外野手  東北福祉大
6巡目  堂上 剛裕  内野手  愛工大名電
7巡目  川岸 強   投手   トヨタ自動車
8巡目  小川 将俊  捕手   日本通運
 スケールの大きい選手が多く、将来が楽しみな顔ぶれが揃った。昨年の森岡に続き2年続けて高校生野手の1巡目指名。中川は長打力だけでなく守備、走塁にも見所の多い選手。体の強さとフォームの狂いのなさは高校生では間違いなくトップクラス。堂上は中川に比べて粗さが目立つ未完の大器だが、化けた時のスケールは期待できる。中村、小川は守備力に太鼓判が押せるので、1年目からバックアップの戦力として十分に期待できる。レギュラー獲得への課題はどちらもバッティングの確実性。投手の3人は個性がはっきりしており、即戦力として見込めるだけの力はある。適性は石川がストッパー、佐藤が先発、川岸がセットアッパー。
野手は将来性、投手は即戦力と分かりやすい指名。85点

巨人
自由枠  内海 哲也   投手   東京ガス
2巡目  西村 健太郎  投手   広陵
4巡目  平岡 政樹   投手   徳島商
5巡目  岩館 学    内野手  東洋大
6巡目  山本 賢寿   投手   帝京大
7巡目  佐藤 弘祐   捕手   東北
8巡目  南 和彰    投手   福井工大
 7人中5人が投手という狙いのはっきりした指名。本格派がずらりと並び、いかにも巨人が好みそうな顔ぶれとなった。5人とも完成度はまだまだで即戦力は1人もいないが、投手陣の底上げという意味では成功といえる。ここ数年、條辺、真田、林と高卒投手が早い段階から活躍しているのもいい追い風になっている。岩館は内野ならどこでも守れるユーティリティープレイヤーというのが売りだが、持っている能力はかなり高い。器用貧乏にならずに、仁志からレギュラーを奪うくらいの気持ちでやってもらいたい。
外れる可能性の高い選手も多いが、中途半端な即戦力に向かわなかった点は評価できる。75点

ヤクルト
自由枠  川島 亮   投手   八戸大
2巡目  山田 裕司  投手   小松市立
4巡目  青木 宣親  外野手  早稲田大
5巡目  吉田 幸央  投手   城郷
6巡目  佐藤 賢   投手   明治大
 川島は春先の故障で評価を下げたが、実力は馬原と甲乙つけがたいものがある実力派。1年目からローテーションの期待がかかる。山田と吉田は時間はかかりそうだが、将来性は十分。若い投手陣だけに、切磋琢磨して伸びていけば近い将来凄い投手陣が出来上がりそうだ。佐藤は早稲田打線を抑えて一躍評価を上げたが、プロの左打者相手には疑問が残る。吉野(阪神)のように、細かいコントロールと強気の攻めを覚えなければいくら希少なタイプとはいえ苦しいだろう。青木は守備と走塁は文句なし。役割をきっちりこなせるバッティングも評価でき、層の薄い外野陣だけに1年目からの活躍も十分期待できる。
投手に関してはいい指名だったが、レギュラーが高齢化しているだけにもう少し野手にも目を向けてもらいたかった。70点

広島
1巡目  白浜 裕太  捕手   広陵
3巡目  比嘉 寿光  内野手  早稲田大
4巡目  尾形 佳紀  内野手  ホンダ
5巡目  仁部 智   投手   TDK
 12球団で唯一、上位3人が野手という指名。レギュラーが高齢化しているため、野手の底上げという狙いは理解できるが、石原、木村一がいるだけに白浜を無理に1巡目で獲得しなくても良かった。比嘉は4年生になってバッティングが伸びた。潜在能力は鳥谷にも負けていない。甲子園優勝、早稲田の主将と広島には珍しく華やかな道を歩んできたのもプラス材料。尾形は怪我から復帰して、持ち味だった守備、走塁に加えてバッティングも力強さが出てきた。広島のチームカラーにぴったりの選手で、ショートのレギュラー候補。仁部は左の中継ぎが不足しているだけに出番も多いだろう。
これでしばらく捕手の補強はいらないと前向きに考えられなくもないが、マークしていた木村(秋田経法大付)のプロ拒否がやはり痛かった。65点

横浜
自由枠  森 大輔   投手  三菱ふそう川崎
自由枠  吉川 輝昭  投手  日本文理大
4巡目  牛田 成樹  投手  明治大
5巡目  呉本 成徳  内野手 明治大
 広島と並んで最小の4人の指名。一人も高校生を指名しなかったが、ここ数年高校生を多く獲得しているのでそれほど気にはならない。投手は3人とも未完の部分が多いが、横浜にはいないタイプなのは評価できる。森は今年十分な活躍はできなかったが、素質は文句なし。まずは故障をしっかり治すことが仕事だ。吉川は大学選手権の優勝、最優秀投手獲得で一躍脚光を浴びた。抜群の体格からの重い速球が武器の本格派だ。大学ではリリーフが多かったが、意外にフィールディングや牽制も上手く、球種が増えれば先発で使いたい。牛田はフォークが必殺の武器だが、球威がまだ少し物足りない。呉本は攻守とも大学ではいい選手だが、もう一つ個性が欲しい。
 投手陣の底上げという狙いは感じられるまずまずの指名。70点

 振り返ってみると優勝したダイエーと阪神がトップの評価。中日、近鉄、ロッテも面白い指名だった。指名漏れの選手が多く、全体的に指名人数が少なかったのは残念だった。

 指名全71選手の内、実際にプレーを見られたのは57人。テスト入団や海外からの出戻り選手については仕方ないが、来年もできる限り球場に足を運んで指名される選手を見ておきたい。
 指名された選手の細かい感想については、また後日改めて書こうと思う。

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