対照的

2004年5月12日
 たまにはプロ野球の話題も。
 西武が強い。今日も2位のダイエーを一蹴し首位をがっちりキープした。しかも勝ち方がいい。和田、フェルナンデス、中島と中軸がしっかりと働き13得点。投げてはプロ初先発の山崎敏が初勝利を挙げた。シーズン開幕当初はまさか西武がここまでやるとは到底想像することはできなかった。松井稼頭央がメジャーに移籍、カブレラも骨折で前半戦絶望とあってはそれも無理はない。それが中島、大島、赤田、細川と次々と若い力が活躍し、首位躍進の原動力となっている。過去5年間、しっかりと狙いを定めたドラフト戦略の賜物といえるだろう。
 一方、昨年オフに松井秀喜という打の中心が抜けた巨人はぺタジーニ、小久保、ローズと外から次々と補強して対応している。レギュラーの中で生え抜きの高卒選手はゼロ。その結果として開幕から連続試合本塁打を記録してはいるが、決して順調に勝ち続けているわけではない。チームとしてどちらに魅力を感じるか?と問われたら、そこそこ野球に詳しい人ならだれもが西武と答えるだろう。ある知人は巨人の打線を見て「博物館のようだ」と言っていた。選手の通産記録を見れば豪華絢爛だが、実際には使い物にならないという意味だ。なるほどうまいなと納得してしまった。
 果たして5年後、どちらが充実した戦力を維持していられるだろうか?答えはあきらかだと思うのだが…。

逸材発見!

2004年4月29日
 今日は千葉県大会を見に市原臨海球場へ。第1試合は柏陵−東京学館浦安。柏陵は99年にエース清水大輔(現JR東日本)を擁して春夏連続甲子園出場を果たしたが、名将蒲原監督が樹徳高に移ってからは低迷が続いている。一方の東京学館浦安も石井一久(現ドジャース)の母校として知られているが、ここ数年はあまり上位に顔を出していない。というわけでそれほど期待していなかったのだが、試合が始まると学館浦安の先発川上國嘉(3年、右投右打)のピッチングに目が釘付けになった。180cmは優に超えるたくましい体格で雰囲気は十分。テークバックで腕が背中に入る悪癖はあるものの、鋭い腕の振りで球威も十分。左足を上げたときに体勢が崩れず、全体的なバランスも良い。前で大きく腕が振れ、指にかかったときのボールの伸びは間違いなく超高校級だ。試合終了後控えの部員に聞くと最速は142kmとのこと。ちなみにこの川上、背番号は10。フィールディングやベースカバーが全くできておらず、ただ投げるだけというところがその理由だと思うが、これほどの素材が隠れていたのは正直驚きだ。夏までには間違いなく騒がれる存在となるだろう。
 第2試合は拓大紅陵−一宮商。拓大紅陵はセンバツにも出場したのでご覧になった方も多いと思うが、捕手の中野大地(3年、右投右打)が攻守に安定感を増していて評価アップ。スローイングで横から腕が出る悪い癖がだいぶ解消されたのは大きい。特に素晴らしいのがキャッチングからスローイングに移る動きの速さ。これは間違いなく全国でもトップクラスだ。先発した平井俊裕(2年、右投右打)はダイナミックなフォームで真上から投げ下ろす本格派。右膝が折れるのが早くかつぎ気味なのは無駄な動きだが、地面につくくらいしっかりと腕が振れ、手元までボールの勢いが衰えない。アウトステップ、体重の後ろ残りなどまだまだ課題は多いが鋭い腕の振りだけで素質は十分に伝わってきた。
 第3試合は市立船橋−千葉経済大付属。市立船橋のエース渡辺知剛(3年、右投右打)は昨年の夏、ビデオで見て気になっていた投手で楽しみにしていたが、この日は欠点が多く目に付いた。腕の振りが体幹から遠く、コントロールが安定しない。左肩の開きが早くシュート回転も気になった。せっかくの柔軟で力強い腕の振りも今のままでは宝の持ち腐れだ。千葉経済大付属の松本啓二朗(3年、左投左打)も注目のサウスポーだが、この日は登板なし。しかしバットコントロールが上手く、フォローの大きい柔らかいスイングで打者としての素質も見せてくれた。次はぜひ登板する姿を見てみたい。

柏陵2−5東京学館浦安
拓大紅陵8−1一宮商
市立船橋3−4千葉経済大付属
 今日は埼玉県大会を観戦に大宮公園野球場へ。この日は大宮工−春日部共栄、久喜北陽−聖望学園、浦和学院−埼玉栄の3試合で、埼玉県内の強豪を一気に見ることができた。驚くような選手はいなかったが、まずまず楽しめたという感じ。チームのレベルとしては春日部共栄が頭一つ抜けている印象を受けた。エースの木村頼太(3年、左投左打)は、力みのないフォームで楽に腕を振れるのが長所。ステップの幅が短く立ち投げの感は否めないが、高校生レベルではスピードもありよくまとまっている。上背もあり大学、社会人で大化けする可能性は十分にあるだろう。野手では4番の井上和哉(3年、一塁手、右投左打)のバッティングが目を引いた。腕っぷしの強いパワーヒッターで、しっかりと自分のポイントまでボールを呼び込めるのが長所。手首の返しが早く打球は上がらなかったが、左右に強烈な当たりを放ち3安打と活躍。3番の鈴木康平(3年、三塁手、右投右打)はリストの利いた鋭い打球が特長。構えが小さく緩急への対応にも疑問は残るが、強肩を生かしたサード守備も光った。
 昨年夏の代表校、聖望学園は目立った選手がおらず少しがっかり。浦和学院で目に付いたのはエース豊田(3年、右投右打)。オーソドックスだがバランスの良いフォームで、体重移動がスムーズ。テークバックで自然に肘も上がり、腕の振りも安定している。スライダーの多投は物足りないが、「好投手製造工場」のエースに恥じないだけのピッチングだった。試合は8回まで埼玉栄が1−0でリードしていたが、9回裏に浦和学院がトップバッター小山の劇的なサヨナラ満塁ホームランで逆転勝ち。大勢詰め掛けた観衆も大興奮の結末となった。
 今日は高校野球の神奈川県大会を観戦に相模原球場へ。第1試合は東海大相模vs武相。一緒に観戦していた同じく日記作家のみのる氏によると、ここ数年の武相はかつての強豪の面影はなく、県大会前のブロック予選でも苦戦しているとのこと。その情報通り試合は東海大相模の一方的な展開となった。東海大相模で目についたのは堀内久大(3年、投手兼内野手、右投左打)。エースナンバーをつけているが、この日は本職の内野手としてプレーし、再三の巧打と好走塁でチームを引っ張った。一つ欲張りすぎた暴走もあったが、それはご愛嬌。もう一人バッティングで目立ったのが岩崎恭平(3年、内野手、右投左打)。無駄な動きのないシンプルなスイングで、きちんと上からバットが出るのが特長。トップの位置が浅く体の割れも不十分だが、軽く振ったようでも飛距離が出るあたりは非凡だ。試合は9−1で東海大相模がコールド勝ち。
 第2試合は桐蔭学園vs桐光学園。何といってもすばらしかったのが桐光学園のエース山室公志郎(2年、右投左打)。テークバックでスムーズに肘が上がり、バランスの良いフォームが特長だ。182cmの長身に加え、長いリーチを生かした真上から投げ下ろすストレートは手元でのキレ抜群で、この日の最速は141kmをマーク。スライダーのキレも申し分なく、桐蔭学園打線を5安打2失点(自責点0)に抑え込んだ。左足を上げたときに背中が丸まり、グラブを持つ左手がうまく体に巻きつかない点は修正したいが、2年生の春の時点では文句のつけようがない。一方の桐蔭学園では3番、センターの上田(右投右打)がシートノックから強肩で目立ちまくっていた。みのる氏によると内竜也(ロッテ)の中学の後輩で、中学時代は投手だったのこと。打撃もヘッドの走る打ち方で打球の速さは十分。肝心の試合の場面で走者を刺せなかったのは物足りなかったが、素材としては一級品だ。試合は5−2で桐光学園の勝ち。気になったのは桐蔭学園の元気のなさ。とても甲子園常連校とは思えない内容だった。夏までにどこまで仕上げてこられるだろうか。
 先週の土曜は神宮球場で東京六大学を観戦。今年のドラフトの目玉といわれているダルビッシュ有(東北)、一場靖弘(明大)、野間口貴彦(シダックス)の中で一場だけこの春見ていなかったからだ。昨年の秋はその年のドラフト候補だった岡本篤志(西武)や佐藤賢(ヤクルト)、牛田成樹(横浜)などを重点に見に行ったので、一場を見るのは昨年の春以来だ。結果から先に言うと被安打6、8奪三振で完封。相手が打線の弱い東大ということを割り引いても目玉の名に恥じないピッチングだったといえる。
 だが何かが物足りないのだ。スピードガンは常に140km台後半で、最速は151km。それでもストレートで空振りが奪えない。変化球のキレもある。それでも投球のリズムが良くない。要因を考えるとそんなところなのだが、 一昨年の松坂世代の投手達から感じたオーラのようなものを感じないということが何より気になるのだ。
 和田(ダイエー)、多田野(インディアンス3A)、長田(西武)、土居(横浜)が凌ぎを削りあった投手戦は今思い返しても凄まじいものだった。木佐貫(巨人)や永川(広島)が村田(横浜)と対戦するときも球場全体が引き込まれるような緊張感を感じた。そういったことを考えると、一場に足りないものはライバルということになるのだろうか。
 あくまで自分が感じただけのことなので、一場のストレートに魅了された人も多かったとは思う。それでも自分はぼんやり一場にぼんやりとした物足りなさを感じてしまうのだ。この日、一場のライバルとなりえる投手の一人である松家卓弘(東大)が右肩の違和感から1回で降板したことも、物足りなさに拍車をかけた。軽症であることを願いたい。

今さらですが…

2004年4月12日
 年度初めということでばたばたしてしまい、更新が滞ってしまいました。申し訳ありません。少し落ち着いたので、今日から再開します。

 済美の初出場初優勝で幕を閉じた春のセンバツ高校野球。先日の日記にも書いたように25日、26日、28日の3日間、計9試合を観戦した。感想を一言で言えば「投高打低」。とにかく投手が多く目についた。ざっと名前を挙げれば下記のようになる(生で観戦した9試合に限る)。
宮田隼(鵡川)
成田隼人(鵡川、2年)
大前佑輔(社、2年)
久保田晃史(福井)
岩田慎司(東邦)
福井優也(済美、2年)
須田幸太(土浦湖北)
ダルビッシュ有(東北)
岩田雄大(大阪桐蔭)
片山博視(報徳学園、2年)
佐藤剛士(秋田商)
ノーヒットノーランのダルビッシュ、17奪三振の大前、重い速球の佐藤などみんな素晴らしかったが、最も驚かされたのは東邦の岩田慎司だ。圧巻だったのは対広陵戦の初回。ストレートは全て140km台で、上本博紀とのドラフト候補対決でも真っ向勝負を挑みファーストフライに打ち取った。正直もっとスライダーを多投する技巧派と思っていたが、胸元をグイグイ攻める投球は本格派の雰囲気十分だった。もちろんスライダー、フォークのキレとコントロールも超高校級で、フィールディングや牽制もNo.1だった。ストレートのスピード以外では、高校3年時の朝倉健太を上回っているとさえ感じたほどだ。
 一方の野手もざっと挙げてみると以下のようになる。
菊池周平(八幡浜)
上田真幸(福井)
上本博紀(広陵)
馬場強司(東邦)
高橋勇丞(済美)
鵜久森淳志(済美)
加藤政義(東北、2年)
生島大輔(大阪桐蔭)
平田良介(大阪桐蔭、2年)
島貫充(東海大山形)
他にも目についた選手はいたが、特に印象に残った選手だけを挙げた。投手に比べると華やかさには欠けるが、高橋、鵜久森、加藤の3人は昨年秋の神宮大会と比べて驚くほどの進化を遂げていた。生では見ていないが、鵜久森が準決勝の東北戦で放ったホームランには驚いた人も多いと思う。穴も多く打てるコースと打てないコースがはっきりしているが、とにかくツボに来たときの打球は物が違う。脚力のなさは大きな弱点だが、数少ない右のスラッガー候補だけに今後も注目していきたい。

雨中の観戦

2004年3月24日
 今日は八戸大−青山学院大のオープン戦を観戦するために淵野辺の青山学院大グラウンドへ。お目当てはドラフト上位候補の三木均(投手、八戸大)。ローテーションの予想通り三木が先発して一安心したが、どうも調子が良くない。球速はコンスタントに140km台を記録していたようだが、狙ったコースに決まらない。必殺のスライダーも変化が早いため空振りが奪えず、毎回走者を背負う苦しい内容だった。それでも完投し、青学打線を1点に抑えたのは流石といったところだろうか。3週間にも及ぶ遠征の後半ということで疲れがピークだったことを割り引けば、十分及第点は与えられるだろう。大学選手権では万全のピッチングを見せてもらいたい。4番を打つ内藤雄太(3年、外野手、右投左打)は1打席目にいきなりレフトへ2ランを放ち、その長打力を見せつけた。昨年の秋はかなり開きが早く調子を崩していたが、今日はしっかりボールを呼び込んで打つことができていた。八戸大のコーチも「打撃ではうちの中では抜けている」というだけあって、打席での雰囲気も十分。守備はDHのため分からないが、来年のドラフト候補に名を連ねるのは間違いないだろう。
 試合途中から雨が降り始め、ずっと傘をさしての観戦ということでかなり寒かったが、それなりに収穫のある一日だった。
 今日の夜行バスで甲子園へ向かう。今日は秋田商・佐藤の好投で盛り上がったようなので、明日以降も熱戦を期待したい。

お寒い内容

2004年3月21日
 今日は城西国際大と石巻専修大のオープン戦を見に野球小僧編集部のMさんの車に乗せてもらい城西国際大グラウンドへ。お目当ては石巻専修大の熊谷真(4年、左投)と大原直人(3年、右投)の両投手。11時過ぎに到着したが野球ファンにも馴染みのない大学同士の試合ということもあって、チーム関係者以外は自分達二人だけ。12時試合開始というのに城西国際大はキャッチボールすらしておらず、試合開始30分前に弁当を食べだすというのんびりした雰囲気にもびっくりさせられた。
 大原は登板がなかったが、熊谷は先発。173cmと小柄ながら跳ねるようなフォームとシャープな腕の振りが特徴のサウスポーで、時折クロスに決まるボールにはキレがあった。しかしストレートを簡単に合わされ、球質が軽いのが難点。踏み込んだ右足が突っ張るのも気になった。高いレベルでやるには、シュート系のボールが欲しいところだ。
 試合はエラー、走塁ミスのオンパレードで締まらない展開。九十九里浜から吹いてくる強風のせいもあり、お寒い内容だった。球場や室内練習場など充実した設備はあるものの、やはり普段から野球に取り組む姿勢が強豪チームとは明らかに違っていた。勝てるチームを作るには、やはり意識改革が最優先いうことだろう。

住宅街で野球観戦

2004年3月19日
 今日は日本通運と駒沢大のオープン戦を観戦するために駒沢大グラウンドへ。球場は世田谷区の住宅街にあり、少し迷ったが無事に試合開始前に到着。
 駒沢はルーキーの榊原浩司(仙台育英)が6番、レフトで出場。昨年春の東北大会で見たときはショートの守備に難があったので、外野手転向は大正解。この日は結果を残せなかったが、背中までバットを振り切る思い切りのいいバッティングは魅力だ。駒沢は中軸の平田大門(4年、中堅手)、新井良太(3年、一塁手)に元気がなく、投手陣も精彩を欠いた。今春のリーグ戦も厳しそうだ。
 日本通運で目についたのが2番手に登板した濱元幸春(24歳、左投)。名簿には180cmとあるがマウンド上で大きく見える。ゆったりとモーションを起こし、ずばっと腕を振り切るメリハリのあるフォームで全体的なバランスも良い。スピードは140km前後だが手元で浮き上がるような球筋で、打者を再三つまらせた。イメージとしては大型の平松(中日)といった感じか。決め球になる変化球がマスターできれば、十分にドラフト候補として名前も挙がってくるだろう。最速153kmを誇るルーキーの高橋陽介も8回から登板したが、大学に時からの不調を引きずっている印象。開きの早さを抑えようとする意図はみられたが、腕の振りが弱くスピードももう一つ。素質は十分なだけに、早くいいときのピッチングを思い出してもらいたい。

らしさなし

2004年3月14日
 今日は早稲田大−亜細亜大のオープン戦を観戦に東伏見の早稲田グラウンドへ。一昨年の大学選手権の決勝のカードで、両チームにはドラフト候補がごろごろいるということもありバックネット裏の観客席はほぼ満席。立ち見の人もいるほどだった。
 早稲田は青木(ヤクルト)、鳥谷(阪神)、比嘉(広島)、由田(オリックス)と主力がごっそり抜けた影響も大きく、打線は沈黙。4番に座った武内晋一(3年、一塁手、左投左打)が安定した打撃を見せたが、やはり戦力ダウンは否めない。今年の自由枠候補の田中浩康も3番、セカンドで出場したが、初回に四球で出塁して盗塁を決めた以外はこの日はいいところなし。エースとして期待がかかる越智大祐(3年、右投)も制球が定まらず、四球でランナーをためたところを長打で返される最悪のパターンで、5回を投げ5失点。体重移動の前に一度膝が折れるため、頭が上下動するのが非常に気になった。リーグ5連覇に向けて不安だらけの内容だったが、一人だけ良かったのが2番手で登板した宮本賢(2年、左投)。下半身が一回り大きくなり球威もアップ。開きをよく抑えたフォームで制球もよく、ほとんど逆球がなかった。4回を投げて被安打2、無四球で無失点。2戦目の先発も十分にありえるだろう。
 一方の亜細亜大で目立ったのがキャプテンの福田康一(4年、3番、遊撃手、右投左打)。昨年に比べてバッティングが格段によくなった。構えが大きくなり、いつでもボールを迎えられる体勢ができている。トップの形、体の割れも万全。バットも最短距離を走っており、甘いボールは確実にとらえていた。この日は先制タイムリーと満塁ホームランでチームの全得点をたたき出す大活躍だった。先発した糸数敬作(2年、右投)もブレーキの利いたカーブを武器に7回を投げて3安打2失点。今年は投手陣の柱として期待できそうだ。とはいえ亜細亜大もエラーや走塁ミスが目立ち、得点も長打が絡んだものだけ。いつものしたたかな亜細亜野球は見られず、リーグ戦に向けて不安が残る内容だった。

有望ルーキー達

2004年3月13日
 今日は東海大−立命館大のオープン戦を観戦に東海大グラウンドへ。駅からは非常に遠いところに位置していることもあって車で向かうことにした。余裕を持って9時過ぎには家を出たのだが、案の定渋滞につかまり到着したのは12時半過ぎ。残念ながら東海大のシートノックは見られなかった。
 この日のお目当ては立命館大の赤松真人(1番、中堅手、右投右打)と高橋孝典(3番、三塁手、右投右打)の二人。普段関西の大学を見る機会は少ないので、こういう遠征は非常にありがたい。赤松はシートノックから動きのよさと強肩ぶりが目についたが、バッティングが今ひとつ。構えが固くステップも単調なため、緩急についていけない。トップバッターにしては粘りがないのも物足りなかった。一方の高橋は軸のぶれないスイングが素晴らしく、度々鋭い打球を放った。少しタイミングの取り方がせわしないが、フォロースルーの大きいスイングは迫力十分。難しいボールも簡単にカットし、甘いボールを一振りでしとめられていた。プロを意識してかサードを守っていたが、守備はお世辞にも上手いとはいえない。強肩は目立ったが、さらなる練習が必要だろう。
 東海大は門前渉(遊学館)、木本徹(東海大五)、加治前竜一(智弁学園)のルーキー3人が早くもスタメンで出場。この中で目立ったのが加冶前。打球の速さと伸びはチームの中でもトップクラス。自然体のリラックスした構えでボールを見る形が良く、対応力も十分。外野の一角を奪う可能性も十分だ。木本も不慣れなセカンド守備を無難にこなし、パンチ力のあるところも見せてくれたが、門前はまだ少し木のバットに苦しんでいる様子だった。東海大はこの三人以外にも、名前の知られた新入部員がかなり多く、今後が非常に楽しみだ。
 昨日に引き続き西武ドームでスポニチ大会を観戦。外はぽかぽか陽気だが、相変わらずドームの中は寒い。見た試合は日本通運−NTT西日本、日産自動車−かずさマジック、日本新薬−シダックスの3試合。
 第1試合、日本通運は毎年のようにドラフト候補に名前が上がる金剛弘樹(26歳、右投)。スピードはまずまずあるが、調子はいまひとつ。球離れが早く、スライダーの変化が早いのも気になった。年齢的には今年がプロ入りのラストチャンスだが、これといった武器がないだけに苦しいというのが実感だ。一方のNTT西日本はスタメンのほとんどが20代後半から30代で、ドラフト的に見所のある選手はいなかった。だが今年は6人の新人を補強しているだけに、今後の世代交代に期待したい。
 第2試合の収穫は日産の先発三橋直樹(24歳、右投)。関東学院大出身の2年目で、昨日の日記に名前が出た小出琢磨(富士重工)の同級生だ。バランスの良い球持ちの長いフォームで、低めの粘っこい球質のストレートが特長だ。開きをよく我慢し腕が真上から振れているため、左右のコントロールも安定している。カーブ、チェンジアップを上手く使って緩急をつけ、走者を背負ってからの粘り強いピッチングにも好感が持てた。かずさマジックでは捕手の河本裕樹(21歳、右投右打)。体はそれほど大きくないが、機敏な動作で肩も強くきちんと左肩を入れて投げられるスローイングは安定感がある。キャッチング、ワンバウンドの処理も上手く、高卒3年目にしては完成度が高い。課題はバッティング。形は悪くないが体の割れが不十分で緩急に弱い。
 第3試合はドラフトの超目玉、野間口貴彦(21歳、右投)が登板したが調子は今ひとつ。特に良くなかったのがスライダー。変化が早く、甘く入ったところを痛打されるシーンが目立った。フォームのバランスも良くなく、体が一塁側に流れる悪い癖も顔をのぞかせた。それでも時折物凄いボールがミットを叩き、やはり物が違うなという印象は変わらない。都市対抗の予選までには仕上げてくるだろう。

 野間口登板ということで第3試合は観客が多かった。だが自分の印象に残ったのは野間口よりもシダックスのシートノック。驚くくらいにミスがないのだ。特に外野からの返球。大抵は数回浮いてしまう返球があるものだが、全くない!内野手が送球をそらすこともゼロ。「ミスをしたほうが負ける」という野村イズムはこのあたりにも出ているのだろう。今年もシダックスはやりそうだ。

4連発!!

2004年3月8日
 今日はアマチュア野球の開幕を告げる「社会人東京スポニチ大会」を観戦に西武ドームへ。ドームというのは名ばかりで、外野のスタンドと屋根の間に大きな隙間が開いていることに加え屋根が日の光を遮りかなりの寒さ。上原(巨人)がラジオで「冬寒くて夏暑い。あんなのドームの意味ないですよ。」と言っていたのもうなずける。
 第1試合は日本新薬−富士重工。お目当てにしていた小出琢磨(富士重工)は登板せず。目についたのは相手チームの日本新薬先発の村田智徳(24歳、右投)。立命館大学時代から有名な選手だが、実際に見るのはこれが初めて。180cm、65kgという数字を見て分かる通りかなりの細身だが、肘がよくしなり高い位置から腕が振れている。びっくりするようなスピードはないが手元でのキレがあり、打者が差し込まれる場面が目立った。一番良かったのがスライダー。打者の手元で鋭く変化し、凡打の山を築いた。これといった特徴はないが、よくまとまった好投手だ。対する富士重工で気になったのが3番手で登板した山口直人(23歳、左投)。中央大学準硬式野球部出身の異色の投手だが、昨年のドラフトでは巨人が指名するのではないかという噂もあった。この投手のいいところは、サウスポー特有のボールの角度。いわゆるクロスファイヤが低めに決まると、かなり攻略は難しいだろう。1イニングだけの登板だったが、素質のよさは垣間見ることができた。
 第2試合は日産自動車九州−新日本石油。とにかく素晴らしかったのが新日本石油のトップバッター坂下真太(20歳、左翼手、左投左打)。1打席目にセンター前ヒット、2打席目は四球を選んでトップバッターの役割を果たすと、1死1・3塁で迎えた3打席目はライトへ目の覚めるような3ラン。脚力と走塁の判断の良さも目立った。坂下を見るのは高校時代から含めて4度目。1度目は一昨年の関東大会の対山梨学院大付属戦。初回の2ランと駄目押しのタイムリーツーベースの活躍。2度目はその年の夏の神奈川県大会。現在のチームメイトで超高校級の呼び声高かった栂野雅史(桐蔭学園)から試合を決めるグランドスラム。3度目は昨年夏の関東選抜リーグ。このときも先制のソロホームランを放った。つまり自分が見に行った4試合全てでホームランを打っているのだ。巡り合わせがいいとはいえ、4回も続くのは実力の証。バッティング、走塁は文句なしなので、守備でもアピールしてもらいところだ。先発した手嶌智(22歳、右投)も7回を1点に抑える好投。長身に似つかわしくないバランスの良いフォームからの角度のあるストレートは威力十分。チェンジアップもよく決まったが、フォークはワンバウンドが多くもう少し。クイックなどランナーを出してからのピッチングにも課題が残った。
 第3試合は鷺宮製作所−トヨタ自動車。トヨタの3番に入った平石洋介(24歳、中堅手、左投左打)が昨年に比べて力強さが増していた。守備範囲の広さ、積極的な走塁も目立ったが、プロにアピールするには強烈な長所が一つ欲しいところだ。

 練習試合は観戦したが、公式戦はこれが今年初めて。寒いとはいえやはり真剣勝負となると、試合の雰囲気も違う。やはり「春はスポニチから」というのが実感だ。

消化不良

2004年3月5日
 昨日は予定通りつつじヶ丘の明治大グラウンドへ。観戦したのは明大と日大国際関係学部のオープン戦。日大国際関係学部は東海地区大学野球連盟に所属し、静岡県リーグで戦っている。4年前に硬式野球部ができたばかりの新しい大学だが、昨秋の静岡県リーグで早くも優勝するなど急激に力をつけている今後要注目のチームだ。メンバー表を見ても御殿場西、掛川西、日大三島など県内だけでなく報徳学園、横浜、日大三など強豪校出身の選手がずらりと並んでいた。この日のお目当てはエースの成澤義光(4年、右投右打、創価)だったが、残念ながら登板せず。試合終了後、編集部のKさんが野球小僧選手名鑑号のための写真を撮影させてもらうということなので、それに付き合い少しだけ話を聞くことはできた。ストレートの最速は148kmで、自信のある球はスライダーとのこと。写真撮影のために軽くキャッチボールをしてもらったが、それだけでもボールの回転の良さは伝わってきた。12日は国士舘大とオープン戦を行うとのことなので、その時に試合で投げる姿を見に行きたいと思う。他に目に付いた選手は5番の上嶋康永(3年、三塁手、右投右打、日大三島)。初回、二死一・二塁の場面で速球をレフトポール際に大ファール。次のスライダーに少し泳いだが、センター後方への大飛球。明大グラウンドは両翼100m、センター125mのかなり広い造りなので、他の球場ならどちらもホームランの当たりだった。2打席目も左中間へツーベース。体の割れが不十分で緩急には弱いが、背筋の強さを生かしたインパクトの強いスイングは迫力がある。高校時代から県内では名の知られた存在だった牛久保真一(2年、左投左打、土浦日大)も1イニングだけ登板。かなり強い雨のせいで投げにくそうだったが、体が三塁側に流れる悪い癖がなくなり、低めにキレのいいボールを投げていた。
 明大は少しメンバーを落としてきたが、ドラフト候補の田中啓嗣(4年、右投両打)は2番ショートで出場。守備の人という印象が強かったが、初回に左打席からいきなりライトへ2ラン。3打席目は右打席からきれいにセンター前にはじき返した。小柄だが走り打ちすることなく、しっかりとスイングしていることが好結果に結びついた。リーグ戦でもこの姿勢は続けてもらいたい。軽快な守備は見事だったが、不満だったのが走塁。相手の守備に助けられたが、2度続けてまずい判断があった。
 明大の先発は小山洋志(4年、右投)。相洋高校時代から大器と評判だったが、大学では全く鳴りを潜めていた。フォームは悪くないのだが、どうも体の力が感じられず、ボールに力がない。ボールが先行する苦しいピッチングで、置きにいったボールを痛打される場面もあった。正直リーグ戦では苦しいかなという印象。素質の良さはあるので、最終学年でもあきらめずにがんばってもらいたいが…。

 天気予報の降水確率は10%だったが大外れ。4回あたりから急に強い雨が降り始め、試合は6回で終了。バックネット裏のスタンドは屋根があったのでそれほど濡れずに済んだが、少し消化不良の一日だった。

今年初観戦

2004年3月3日
 ここ数日、引越しなどに追われて更新できませんでした。引越しも無事に終わり、少し落ち着きましたので今日から再開します。

 今日は三菱ふそう川崎と青山学院大のオープン戦を観戦。今年初の生観戦だ。オープン戦ということで若手中心のメンバーを期待していたが、ふそうはスポニチ大会が近いこともあってか、野手はほぼベストメンバー。若手は三垣勝巳(5番DH、東農大生産学部)、渡辺直人(9番ショート、城西大)の二人くらいだったが、良かったのは渡辺。とにかく守備の動きが俊敏で、積極的に打球に向かっていく姿勢は素晴らしい。三遊間の深い打球も余裕を持って刺せる肩の強さもあり、守備だけならアマチュアでもトップクラスだろう。見るからに体の線が細く非力なのが残念だが、ミートが巧く打撃も悪くない。一方の三垣は少し期待はずれ。ヘッドが下がる悪い癖が顔をのぞかせ、ほとんどの打球がフライ。持ち味のパワーを生かしきれていなかった。スポニチ大会での巻き返しに期待したい。
 青学大ではルーキーの小窪哲也(PL学園)が2番ショートで先発出場。社会人選手の鋭い打球に戸惑う場面もあったが、守備の動きは十分及第点。送りバントもしっかりと決めるなど、つなぎの役割は果たした。投手陣はエース山岸穣(4年、福井商)が登板せず細かい継投だったが、高市俊(2年、帝京)以外はピリッとしない内容。守備陣もミスが多く、締まらない試合展開だった。

 ここ数日の寒波でとにかく寒く、加えて試合時間も長かったのでかなり震えながらの観戦だったが、やっと自分の中で球春到来という感じで気分は良かった。明日は明大グラウンドに行く予定。今日に続き寒そうなので、しっかり防寒対策をしなくては。

衰え

2004年2月21日
 今日は2月とは思えないくらい暖かく、友人と久しぶりに野球をした。メニューはキャッチボールとペッパー(トスバッティング)、そしてバッティングセンターへ移動しての打ち込みとごくごく軽いものだったが、体が思うように動いてくれない。ボールを投げていても、下半身がついてこないからリリースが早くなり、思うようにボールが指にひっかからないので抜ける球が多くなる。ゴロを捕ろうにもバウンドが合わないし、際どいボールに対してあと一歩が出ない。まともに野球らしきことをするのは約5ヶ月ぶり。しかもその間論文に追われていたので運動不足極まりない生活だったので、仕方ないといえば仕方ないのだが結構ショックだった。大学の野球部を引退して2年、すっかり野球部員らしくなくなってしまった自分がいた。救いはバッティングセンターでそれなりに打てたこと。1ゲーム目は打ち損じが多かったが、3ゲーム目あたりからはかなり満足できる内容になった。130km程度のボールならまだまだ打てそうだ。論文で忙しい間も、気晴らしによく素振りをしていたおかげだろう。
 ただこのままでは試合では動けそうにない。まだまだ24歳、プロならバリバリの若手なのだから、もう少し動けるように暇を見つけては体を動かすようにしなければと実感した一日だった。

新庄様々

2004年2月15日
 プロ野球のキャンプも中盤に差し掛かり、実戦形式の練習が多くなってきた。そんな中でも、一番の注目を集めているのは日本ハムの新庄だ。今や日本で最も客を呼べる選手と言っても過言ではないくらいの人気で、日本ハムの球団関係者にとってはまさに新庄様々だろう。一方でローズ、小久保と大型補強をした巨人や昨年の優勝チームのダイエー、阪神もキャンプ地はにぎわっているようだが、話題性では新庄一人に負けている格好だ。
 だが、他球団にもそんな新庄フィーバーをありがたく思っている人もいるはずだ。阪神の鳥谷もその一人だろう。昨年のドラフトの一番人気が優勝した阪神に入団したとあれば、もっと騒がれてもおかしくないはずだが、ここまでは取材がそれほど加熱しているようには感じない。もちろん他のルーキーよりも取り上げられることが多いのは確かだが、松坂や昨年の和田などと比べても静かだという印象がするのだ。今日の練習試合では2安打1盗塁と活躍を見せたが、新庄の後に報道しているニュースがほとんどだった。阪神ファンや鳥谷ファンは寂しいかもしれないが、鳥谷本人はありがたいはずだ。元来、淡々とした印象が強い鳥谷だが、自主トレの時には気楽に外出できないと元チームメイトの比嘉(広島)にもらしていたようで、やはりプレッシャーを感じていたのは間違いない。
 今までの実戦を見る限りでは、大学時代と変わらずに自分のプレーをこなしている。もちろん今後さらに注目度が高まるだろうが、最も苦しいキャンプの時期に多少なりとも過剰報道のプレッシャーから解放されているということは、鳥谷にとっては大きなプラスとなるだろう。

希少価値

2004年2月8日
 アメリカのBSE問題に端を発する、牛丼騒動。なか卵、すき家で早くも牛丼の販売を中止し、吉野家も間もなく牛肉の在庫が底をつくらしい。昨日の夕方のニュースでは、残り少ない牛丼を食べておこうとする消費者が多く、吉野家に殺到しているとも報道されていた。自分の近所には吉野家がないためよくすき家に行くが、牛丼に代わるメニューとして「豚丼(とんどん)」が売り出されていて、少し驚いた。普段当たり前にあるものが、ふとしたことから突然なくなると希少価値から人気が上昇するということを身をもって体験したような気がする。
 話は変わるが、先月の「野球小僧トークライブ」の時に、“流しのブルペンキャッチャー”こと安倍昌彦さんから「どっかに渡辺俊介(ロッテ)みたいな本物のアンダースローいないかな?」と尋ねられた。色々思い返して、観戦ノートをチェックしてみたが思い浮かばない。「昔はいっぱいいたんだけどねぇ〜」と安倍さん。確かに自分の物心がついたころには、山田久志をはじめプロにも結構アンダースローの投手がいたように記憶している。おそらくアマチュアにもいたのだろう。
 ではなぜアンダースローの投手は少なくなってしまったのだろうか?はっきりとした理由は分からないが、近年右投左打の野手がめっきり多くなったことが影響しているのではないだろうか。右投のサイドスロー、アンダースロー投手は左打者を苦手としている場合が多い。そのため、左打者の増加に反比例するように、アンダースロー投手が減少したというように考えたのだ。
 だが牛丼と同じで、残りが少なくなると希少価値が出てくる。渡辺俊介の活躍がきっかけとなって、再びアンダースローにしてみようとする投手が出てくるかもしれない。今年はどこかの球場で本物のアンダースローに出会えるだろうか。

慣れ

2004年2月1日
 今日からプロ野球のキャンプイン、一昨日にはセンバツの出場校も発表され、徐々に春の足音が聞こえ始めてきた。毎年何かともめるセンバツの出場校だが、今年は比較的すんなり決まったという印象だ。何より嬉しいのは出場が微妙だった明徳義塾、報徳学園が選ばれ、さらに「21世紀枠」で一関一、「希望枠」で秋田商が選ばれたことだ。明徳義塾には鶴川将吾−田辺真吾のバッテリーにショートの梅田大喜、報徳学園には191cmの1年生エース片山博視、一関一は最速145kmの本格派木村正太、秋田商には早くも広島がドラフト1巡目候補に挙げている佐藤剛士と正にドラフト候補目白押しだ。
 …とここまで書いて、ふと思った。3年前には強烈な違和感を覚えた「21世紀枠」、「希望枠」(希望枠は昨年から)について何も感じなくなっているのだ。完全に違和感よりも注目する選手が見られる喜びのほうが大きくなっている。「文武両道」とか「困難な状況に打ち勝って」とかいう考え方は、勝負の世界であるスポーツに取り入れるべきではないと今でも思う(進学校に通っている生徒がみんな勉強しているわけではないのは明らかだし)。しかし人間というのは慣れやすく、忘れやすい生き物。すっかり自分も3年前の感覚を忘れていた。おそらく多くの人がそうだと思う。よほどのことがない限り、しばらくはこの制度も続いていくだろう。果たして本当にそれでいいのだろうか?自問自答するのだが、この制度がなかったら木村や佐藤を甲子園では見られなかったわけだし。う〜ん…。

 とりあえず間違いないのは、毎年何があろうとセンバツが楽しみだということだけだ。

セット

2004年1月25日
 23日のスポーツ紙の一面は揃って「巨人、カツノリ獲得」の記事。昨日の野球小僧トークライブでもその話題を何人からも振られた。誰もが野間口獲得の布石だと言っているが、本当にそんなことが関係あるのかなぁというのが正直な感想だ。
 今回のようなトレードは珍しいが、ドラフトでは「セット指名」と思われるケースは結構ある。去年のドラフトでも、阪神はシダックスの庄田(野間口獲得への布石)、巨人は東北の佐藤(ダルビッシュ獲得への布石)を指名しているし、ヤクルトの志田(石川とセット)、ダイエーの井手(寺原とセット)、横浜の渡辺(後藤とセット)、巨人の李(内海獲得のため)などもそうである。
 どうしても彼らは「〜のセット」と見られがちだが、決して実力がないわけではない。現に志田は1年目から一軍の試合に出場、井手は昨年二軍で規定打席に到達し.287の成績を残している。ぜひ彼らにはメインだった選手を追い抜くぐらいの活躍を見せてもらいたい。あの川上哲治も吉原正喜のセットとしてプロに入り、打撃の神様と呼ばれるまでになったのだから。

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